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公立高校、大阪の教育の危うさ 3ーH の 田 中 B
2011.11.8 Tue 22:47 |
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おそらく5年以上ぶりの投稿です。 府立高校で教員をしています。 最近の高校を取り巻く状況が非常に危ういものになっています。 勤務校の存廃にも大きくかかわっています。 私たちの高校時代のように「ある種の回り道」や「ある種のだらしなさ」を許容する時空間は何より今日の糧になっているように思います。
掲示板にこのような長文の投稿は反則かもしれません。しかし、かつて同じ高校生活を送った方々に、今でも高校に軸足を置いている者として学校の現状を知ってほしいと思います。 長くなりますが読んでいただければ幸いです。
大阪の学校に対して「教育は2万%強制である」「教育にもっと競争を」という動きがあります。大阪府元知事橋下=「大阪維新の会」は教育基本条例(案)で「新自由主義論理」に基づく方針を打ち出しました。それは、「入試3年連続定員割れ高校の統廃合」と「学区の廃止」です。
【高校廃校】 定員割れ→廃校はその高校に「負け組」のレッテルを張ることになります。これまでも統廃合はありましたが、2校を廃校にして新たに1校を創設するという形をとり、たとえ名目的なものであっても「両校の取り組みを発展させる」という看板を掲げていました。今回の廃校は「ダメな高校」はなくすというものです。橋下のいう「ダメな高校」にも通っている生徒はいるし、卒業していった府民もいます。有名校でなくても、自分の高校に対してはなんらかの「思い」があるものです。勉強嫌いでやんちゃな生徒でも卒業式で感極まって涙を見せることもあります。彼女、彼らの気持ちを踏みにじる橋下には「競争に参加しない・参加できない」生徒への共感は全くありません。 高校という公教育の場には、橋下が評価する「進学校」や「スポーツ有名校」だけが存在するのではありません。勉強が苦手な生徒や毎日学校に行くのが困難な生徒、経済的に恵まれなくて進学を断念しなければならない生徒、障がいを抱えた生徒などさまざまな生徒が存在します。そのような生徒達を抱えている高校こそ行政が支援すべきであるのに、競争原理という正反対の政策を導入し切り捨てようとしています。 高校授業料無償化(公立・私立とも)は、景気動向や政権交代により将来どうなるか不確定です。公立高校が激減したあと「行く高校がない」という中学生が多数でることも予想されます。それは、4年前(現高校3年生)のリーマンショックの時に既に起こっています。その時、セーフティーネットしての公立高校の役割は破綻します。 【学区制廃止】 5年前に通学区域が府下9学区が4学区になり、入試倍率が高い高校がでてくる一方、定員割れが常態化する高校をうみだしました。それは、学区が広くなることによって学区内の高校数がそれまでの約2倍の20〜30数校になり競争が激しくなった結果です。高校の所在地から考えると、大阪市中心部や交通至便地の高校は通学可能圏が広くなって優位に立ちます。逆に大阪府内周辺部(大阪市内湾岸部、京都府・和歌山県・兵庫県との隣接地域等)や通学の便が悪いところはハンディキャップを負うことになります。 そのような危機感から、能勢町議会は能勢高校の存続を求める要望書・意見書を可決しました。また能勢高校を応援する会が結成され寺脇研(元文部科学省)、藤原和博(大阪府知事特別顧問)が関わっています。
【入試倍率】 2010年度後期入試では全日制普通科7校が定員割れ、2011年度では41校が定員割れしています。2年連続の高校は5校です。 私立高校無償化の影響により全日制普通科後期入試の平均競争率は2010年度1.14倍から2011度1.05倍になりました。豊中高校では1.78倍、高津高校1.73倍、茨木高校1.72倍、四条畷1.69倍となっています。ここで言えることは高校入試の「自由化」とは入試学力が高い生徒(私学合格ののち公立進学校を受験する生徒)にとっての自由でしかないことです
【知事の暴言】 元知事橋下は8月26日の府教委、大阪私立中学校高校連合会会長が参加した「大阪教育会議」の席上、知事としてあるまじき発言をしています。(8月27日朝日新聞) 「公立からこれだけの生徒を奪ってくれて、私立の皆さんには感謝している。公立への刺激になり、公立に火がついた」 「教育の環境を整えるのは政治の役割。公私の競争条件を同一にするのが私たちの考えであり、そのための取り組みを今後も進める」
【廃校が決まると】かつて廃校になった勤務校Y高校では、統廃合が決定した翌年すなわち3つの学年がまだそろっている状態の時に校内食堂が撤退しました。生徒は暖かい食事をとることができず、やむなく弁当屋から出前を頼む者まででてくるようになりました。また、学年進行に従って在校生徒が本来の2/3、1/3に減少すると、存続できなくなるクラブが次々生じるようになるなど、教育条件が極端に低下していきました。
【他にも】首長の教育委員罷免権、「学校運営協議会」による学校現場への教育介入、校長の権限強化と公募制・任期制による校長への支配などが問題が山積みです。 また、小中学校でも学校選択制強化、学力調査テストの公開強要で競争を煽り、教職員のみならず、小中学校、管理職、市町村教育委員会までをも「勝ち組・負け組」に振り分けるものです。 「競争」の教育でなく「協同」の教育を目指し、「強制」ではなく「共生」の教育をつくりたいものです。
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